発売中!

  • 100年の伝統と挑戦!
  • 歌舞伎・歌劇・レビュー・バレエ・日本舞踊・ミュージカル・2.5次元……が「タカラヅカ」になるまで
  • 「タカラヅカ流・愛の方程式」を読み解きます
  • 「日本物」への偉大なる愛!
  • 100周年を祝してこの1冊!
  • 割とマジで勉強になります!
  • 清く正しく美しいヅカファンライフのすすめ
  • タカラヅカ100年の伝統と変化をたどる!

中本千晶の本(遊系)

  • 待望の文庫化!
  • 不景気も吹き飛ばすタカラヅカの魅力
  • 人形が泣く、人が泣く

中本千晶の本(働系)

  • 東大卒って本当にスゴイの?
  • 著者デビューマニュアルの決定版!
  • 独立した人、したい人のバイブル
無料ブログはココログ

カテゴリー「カンゲキの記録」の記事

2018年6月 8日 (金)

こまつ座「父と暮らせば」

やっぱりボロ泣き……。

2015年に一度観てますから、今回はそうでもないかなと思いきや、3年前と同じでした。
こまつ座さんの数ある作品の中でもとくに好き、というか自分にとって大事な作品なのだと再確認した気がします。

※3年前の感想はこちら

私、反戦メッセージをどストレートに投げかける作品は舞台としてはあまり好みではないのですが、この作品は別。おそらくそれ以上に、娘を想う気持ち、父を想う気持ち…人としての愛情がリアルに伝わってくるからじゃないかと思います。前回も書いたけど広島弁なだけに、私にとっては余計に。

そして、その隙に井上ひさしさんが本当に伝えたかったであろうメッセージもいつの間にかしっかり受け止めてしまっている。原爆投下直後の広島の街の様子を、回想の台詞を通じて事細かに伝えているという点も特筆すべき作品です。

今回、新キャストでの上演でしたが、山﨑一さんの父親が、生前のちょっとダメな部分が垣間見えるのも可愛らしく、素敵な親父さまでした。伊勢佳世さんは知的で気丈、「学生時代から成績優秀」というのも納得です。

17日まで。ぜひぜひ多くの方に観て欲しいです。


2018年6月 2日 (土)

唐組「吸血姫」

ぎゅうぎゅう詰めの密集空間、ゴザが敷かれた地面の上で体育座りでの観劇。
お尻の痛さと戦う2時間半でした(>_<)。
唐組「吸血姫」、1971年の初演以来47年ぶりの再演だそうです。

1967年8月、花園神社に唐十郎の紅テントが忽然と現れたときの衝撃については、扇田昭彦さんの『日本の現代演劇』の冒頭で語られています。
そんな伝説の紅テントを一度体験したいものだと思っていました。その願いが叶ったわけですが、終演時にはこの修行のような2時間半を耐え抜いたぞ!という満足感が先に来てしまった気もします(汗)。テント内も苦痛の共有体験による一体感で包まれていたように思われました。

そんなわけで以下は取り急ぎのメモ。
整理券番号順に誘導されて順にテント内に入っていくのがまず一大イベントです。
呼ばれていた整理券番号から推測するに、あの狭い空間内に300人ぐらいは入っていたのでは? そりゃ狭いはずだ。

観客層は、かつてアングラ演劇全盛期にリアルで観ていたであろう世代と、「紅テントとはいかになるもの?」と珍しげに観に来た人(含私)か入り混じってる感じ。大学生ぐらいの若い世代もけっこういました。そして男性が多かったです。

ストーリーは支離滅裂、でも台詞の一言一言が深くてガンガン伝わってくるものはあります。
上手く言語化できないのですが、よく「肉体の演劇」などと説明される感覚がやっと肌で理解できたような。まさに百聞は一見にしかず。
それと、要所要所で歌がかなり使われていて、ちょっとミュージカルっぽいと思ってしまいました。1971年といえば日本でもブロードウェイミュージカルがぼちぼち上演され始めた頃。そんな影響もあったりするのかな(まったくの仮説です)。

この作品「愛がお世話か」っていうのがキーワードなんだけど、たしかに「お世話する」ってなかなか便利な言葉ですよねー。「あかねさす紫の花」で鎌足さんが言ってるのを聞いたときから何となく思ってましたけど(笑)

それにしてもお尻が痛かったよう〜:(;゙゚'ω゚'):
昔アングラにハマってた人たちはもっと忍耐強かったということなのでしょうか??
これからご覧になる方には、ゆったりとした服装と身軽な荷物で行かれることをお勧めします。


2018年5月30日 (水)

「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」

ナショナルシアターライブで見てきました。
トム・ストッパードの「「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」
演出がデヴィッド・ルヴォー。

「ハムレット」の中で「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」の一言で片付けられてしまっている2人を主人公にしたお話。
だいたい、どっちがローゼンクランツでどっちがギルデンスターンかさえもよく区別がつかない、そのくらいどうでもいい存在感な2人(2人のうちツッコミ役的な方がローゼンクランツで、この役がハリーポッターのダニエル・ラドクリフでした)。
戯曲的には確実に死が待っている、そのことに二人も薄々気づいている・・果たして二人の運命やいかに!?

とはいえ、1幕の途中までは延々と言葉遊びのような会話劇が続き、笑いのツボも7割は理解できず、ワタシ史上最高にわけわかんない作品かもと思いながら「忍」の一文字で観てたのですが、1幕ラストから俄然面白くなった!

劇中にイカサマな旅芸人一座が出てきて、彼らがハムレットのパクリの芝居を見せます。
この効果で、途中から何が現実で何が虚構かがわからなくなってしまう…まさに虚実皮膜とはこのことか!?

本筋と劇中劇、二重の構造があるのですが、途中、外側の舞台がまるで現実世界のように感じられた瞬間があったかと思えば、内側の舞台が現実に感じられた瞬間もあり、揺さぶられまくり。でも結末は現実世界をも救う演劇の力を感じさせるもののように私には感じられました(畳み掛けるような終わり方だったので、見誤りだったらゴメンなさいなのですが・・・)。

それともう一つ思ったこと。
戯曲上は死に向かっていく2人の運命は、物語の中の特別なことではない。よく考えたらこれ、すごく普遍的なことじゃないかと。死に向かって一直線に向かっているのは人間誰しも同じなのだから…と、そう感じて慄然とした瞬間もありました。

でも、「良いもの見せてもらった〜」と思えた時って結局は元気になれます!
マニアックな映画だと思うんですけど、その割にはお客さんの入りも良くて、ほぼ満席になっていました。

2018年5月22日 (火)

小松台東「消す」

いつも面白い三鷹市芸術文化センターの上演作品。今回もまたまたやってくれました。

宮崎の、よくある田舎の家庭の物語。台詞も全部宮崎弁。舞台セットの小物の一つひとつに「あるある!」感。まるで帰省したような気分になれるくらい細かく作り込まれていてびっくり。
しかし、話が進むにつれ、よくある家族の闇が次々と露呈していってだんだんイヤになってきました(笑)
途中、登場人物の中で誰が一番イヤな奴が真剣に考えてしまった…で、総じて女性陣の方がイヤな奴度が高いという結論に達したのですが、それは自分自身も持ち合わせている部分を見せつけられているからそう感じるのかもしれません。

家族って、生々しくドロドロした感情と、人としてのごく素朴な愛情と、両極の根源的な感情をうまくバランス取りながら続けていく関係なのかもしれない。そんなことを改めて考えさせられる作品でした。

※週末までの上演で、まだ残席ある回もあるようです。


2018年5月20日 (日)

ハングマン@せたパブ

タイトルの通り、首を吊る人、つまり死刑執行人の物語。といっても別に死刑制度の是非を真正面から問うとかそういう話じゃなくて、かつて死刑執行を仕事にしていた田舎の名士ぶったおじさんの話といったところ。
時は1960年代、ところはイギリス北部の田舎町のお話。

マーティン・マクドナーという気鋭の作家の最新作なのだそうです。パブに集う人々が繰り広げる会話劇で物語は進んでいきます。パブ劇というんだそうな。リアルでシュール、日本文化の土壌からは決して生まれてこないであろう演劇は新鮮で面白かったけれど、どう受け止めていいのか少々戸惑っているところも(>_<)

主人公ハリー(田中晢司さん)のどこまでいっても二流な感じと、物語のキーマン、ムーニーの最低野郎な感じ(大東駿介さん)が巧かったです。こういうお芝居見ると、役者さんってすごい!!とひれ伏したくなりますね〜

それとプログラムの作品解説が良かった!
観劇前用と観劇後用、二つに分けて解説があってとてもわかりやすい。これは今後の参考にしたいです。


2018年5月 9日 (水)

こまつ座「たいこどんどん」

まずは、喬太郎師匠素晴らしかったことが言いたい!!
井上ひさし作品の振れ幅の大きさはいつもどおりですが、たいこ持ちという役どころがピッタリとはまり、軽妙なシーンは十八番な感じで楽しませてくれます。いっぽうで、芸人魂を叫ぶシーンは鬼気迫る迫力で落語家としての喬太郎師匠ご自身にかぶって見えました。

相手役ともいえる若旦那役の窪塚俊介さんが体調不良で初日直前に急遽代役となるというアクシデント…このため事実上喬太郎師匠オンステージのようになっていましたが、重責を果たし舞台を引っ張っておられたのはほんとうにすごい!
今回の経験を芸のこやしにされた後、落語家としてどうなっていくのか?こちらも興味が尽きません。

でも、若旦那・清之助役を急遽務めることになった江端英久さんにも胸打たれるものがありました。
もちろんこの役は本来、おバカでも何をやっても許されるような華と愛嬌のある役者さんの方が良いのでしょうけど、それでも江端さんらしい役創りで作品をきちんと成立させていたと思います。

代役の舞台が侮れないであろうことはタカラヅカでの経験から予想していましたが、やっぱり今回の舞台にしかない感動と元気をいただきました。
演者の皆さんが千秋楽まで元気に舞台を務められることを願っています。

喬太郎師匠のインタビュー、手前味噌ながら観劇後に読み直してみるとまた面白いです。



2018年5月 2日 (水)

温泉ドラゴン「嗚呼、萬朝報!」

いや〜〜今日もまたアツい芝居を観てしまいました。
「萬朝報」を立ち上げた黒岩涙香(周六)の生涯を描いた舞台です。作は原田ゆう、演出はシライケイタ。
(以下はちょっぴりネタバレな観劇レポートです)

常に庶民の味方であり続け、値上げをせず、圧倒的な販売部数を武器に発行停止にも大新聞の圧力にも不買運動にも屈しない姿勢は痛快そのものでした。

そんな黒岩がこだわり続けたもうひとつのモットーが、執筆者の表現の自由を守り続けること。ですが、これを売上との天秤にかけねばならぬ事態に陥ったとき、一度だけ判断を誤ってしまいます。そしてその謝りが、ある人物の命を奪ってしまう。
「危険な思想なんてものはない。本当に危険なのは自由が奪われることである」
ラストの黒岩の悲痛な叫びが重く響きました。

…そして彼のアキレス腱、それは女性問題…。
彼をめぐる女のバトルがもうひとつの物語として展開していきますが、これがまたドキドキハラハラ。
理想を追い続ける人って、案外ごく身近な人を踏み台にしてしまう罪な存在なのかもしれません。

ともあれ、とくに表現に携わる人には是非オススメしたい、スカッとして考えさせられて、ちょっぴり哀しい物語。ああ…でも明日で千秋楽なんですよね。私が観た回も急遽補助席を増やすほどの盛況ぶりでした。
役者さん一人ひとりの圧倒的な熱量に対してむしろ劇場空間が狭すぎる! もう少し大きなハコでの再演希望です。


2018年4月26日 (木)

CAHiroiPLIN(チャイロイプリン)「ERROR」

めっちゃ面白い舞台観ました。
「チャイロイプリン」という不思議な名前のダンスカンパニーによる、 「踊る小説」シリーズ第4弾「ERROR」

振付・構成・演出はスズキ拓朗さん。
美術・映像は青山健一さん。
これはかなーりイケてるんじゃないかと思います。注目です。
あと少し公演期間ありますので、お時間ある方は是非。おススメです。

太宰治の「人間失格」と「失敗園」をダンスで見せていくって?どうなるんだろ〜と思ったら、お花たちがいっぱい出てきました。
ネム、ネギ、大根と人参、バラ、トマト、トウモロコシ、クルミ、ヘチマ、矢車草、綿、そしてヒマワリ。
まず、それぞれの衣装がすごくイイ。一見それとわからないけどよく見るとそれらしくて、みんな可愛い!

そんな草花に囲まれた「葉ちゃん」が主人公。
彼はヒマワリとして立派な花を咲かせることを期待されているんだけど、そこに様々な立ちはだかる誘惑…そんなストーリーが「人間失格」をベースに描かれていきます。

舞台中央に吊り下げられた天秤状の竿に色んなものをぶら下げてバランスをとっていくのですが「ぶら下がるもの」がどんどん増えていくのがまさに人生を象徴していて切ない…上手い道具の使い方です。

台詞や歌詞に多用された言葉遊びも愉快だし、キャストも皆さんとっても個性的でダンスも見応えあり。映像も上手く使われているのは今どき風。めっちゃ笑えるけど伝わってくるメッセージは何気に深い? 一緒に行った太宰治好きな友人も大満足な様子でした。

もはやこれミュージカル? いやショー? カテゴライズすることに意味はないのかもしれませんが、ダンス、歌、言葉遊び、映像、物語、あらゆるエッセンスを含んだ小粋な総合舞台芸術と言って間違いないと思います。

さて、葉ちゃんは花を咲かせられるのか??
最近、園芸部長な私にとってもタイムリーな作品でした。
…何だか、庭の植物たちを眺めるたびにこの作品のことを思い出しそうです。

※客席の入り口にメロスがいました!


2018年4月24日 (火)

あゝ青春!「1789」

帝劇「1789」観てきました。
初演からの大きな変更はないそうなのですが、すごく変わったように見えた!
初演より各キャストの歌の聴かせどころがはっきりしてメリハリがついたような。再演ならではの進化を見せてもらえた気がします。

ソニンソレーヌに至ってはソロ場面がすごく増えたようにさえ見えるパワーだったし、ダンシングダントンはさらに激しく踊ってたし(そこかよ)、ラマール閣下は相変わらず最強ながら催眠術にはヨワくなってた気が(笑)
再演キャストがことごとく進化を遂げるいっぽうで、初登場キャストの皆さんが新鮮な風を吹き込んでくれてました。

そしてやはり楽曲が素敵と再認識。
エリザやレミゼに比べると話はシンプルなだけにむしろショーっぽい。身分や立場の対立のダイナミズムを楽曲の力で見せる作品なのかなと思います。

しかし…冒頭のロベスピエールとデムーラン登場シーンからいきなり虚しさに襲われ、陽気に歌うダントンを見てまたまたどよよーんとなってしまいましたよ。これまさしく「ひかりふる」病ですな。
今となっては1789は革命家たちの「懐かしき青春時代」を描いた作品です…つらい(想定内)。


2018年4月15日 (日)

シアタークリエ「火星の二人」

竹中直人さんと生瀬勝久さん、役者さんとしてとても気になるお二人の舞台です。「竹生企画」と称するお二人の演劇ユニットによるシリーズ3弾とのことですが、これはもうお二人あってのオリジナル作品ですね。
(以下、ちょっぴりネタばれです)

ジェットコースターの大事故で二人だけ生き残ってしまった朝尾(竹中)と志波(生瀬)。かたや大学教授の朝尾家はなかなか立派だけど、何だか色んな問題を抱え込んでいそうな様子。そこにある日、志波が「僕たち二人だけが生き残った意味を探しましょう!」と押しかけてきて、そのまま庭にテントを張って(笑)居座ってしまいます。

問題ありありだった朝尾の家族達とすぐに打ち解け、心を開かせてしまう志波。やけに明るく前向きな志波ですが、じつはムショ帰り。冤罪で13年間も刑務所に入っていたという過去を持っていたのです。一見、何の縁もなさそうな二人ですが、やがて思ってもみなかった関係があることが明らかになっていくのでした…。

それぞれ一癖も二癖もあるキャラクターを完璧に創り上げているお二人に終始釘付け。登場人物たちの掛け合いも絶妙な可笑しさでした。いわゆるスターもおらず、定番の名作というわけでもない、それでも興行として成立し観客を引っ張っていけるのがすごい!

この調子で第4弾、第5弾とまだまだ続きそう。そう感じさせるコンビって素敵だなと思います。まさに役者さんの力を思い知らされる新鮮な舞台でした。


より以前の記事一覧