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カテゴリー「カンゲキの記録」の記事

2018年1月21日 (日)

ミュージカル「ナイン・テイルズ」

宮川彬良さんが2001年に作曲して以来、諸般の事情でお蔵入りしていた作品なのだそうです。昆夏美さん、小野田龍之介さんというミュージカルファン的には注目のキャストを擁しながらも、とよはし芸術劇場でたった2日しかやらないという謎のミュージカルを観てきました。

中国、韓国の古い伝説を元にしたお話ですが、そこで問われるのは「限りある命の中で育む愛」と「人の命を犠牲にすることで得られる永遠の命」と、どちらが価値あるのかという根源的な問い。もっと言えば「永遠の愛ってありえるの?」がテーマでしょうか。

とにかく宮川さん自らの演奏による音楽、豪華キャスト陣が繰り広げる歌とダンスが素晴らしすぎる。その分舞台セットなどはシンプル(=つまり、お金をかけていない)。人とモノとが妙にバランスを欠いでいる、ある意味めちゃくちゃ贅沢な舞台。歌とダンスの力だけで重いテーマもストレートに胸に突き刺さってきます。

個人的には「愛なんかくだらないっ!」と言い続けてた紅梅(ホンメ・JKimさん)が結局妹への愛ゆえに自分の永遠の命まで犠牲にしてしまうところがツボでした。私がこの作品に出演するとしたら、昆夏美さんの梅花じゃなくて絶対こっちの役なんだろうなぁ〜(意味のない想像w)

降りしきる雪の中のラストシーンは、シンプルながらもそれはそれは壮絶で哀しく、そして美しかったです。
結論「永遠の愛はありえる!」←歌の力で説得されました。

豊橋、何だかホッとできる町でした。この素敵な作品がオギャーと生まれ出た、まさにその瞬間に立ち会えたことを嬉しく思います。これからすくすくと育ちますように…。


2018年1月18日 (木)

戯伝写楽2018

※ネタばれあり

時は1794年1月。たった10ヶ月、彗星のように現れて消えた謎の天才画家、写楽の正体を解き明かす物語です。
公式サイトはこちら
うだつの上がらぬ能役者・斎藤十郎兵衛に橋本さとしさん、絵を描き始めると止まらない不思議少女・おせいに中川翔子さん。
壮一帆さんが花魁の浮雲役として登場した時はビックリでしたが、物語終盤にはこのキャスティングにも納得させられるのでご安心を(笑)。

とにかく中島かずきさんの脚本の一言一句に唸らされました。
喜多川歌麿(小西遼生)、与七・・実は十返舎一九(東山義久/栗山航)、鉄蔵・・後の葛飾北斎(山崎樹範)、大田南畝(吉野圭吾)と、今に名を残す画家や作家が勢ぞろい、その業と業のぶつかり合いが、切なくも考えさせられることばかり。
そして、才能を世に出す側の蔦屋重三郎(村井國夫)の最後の心意気もお見事。

これはツボにはまる作品でした! 百花繚乱の才能が花開いた華やかな時代に思いを馳せたくなりました。

1794年1月といえば、同じ頃のフランスではロベスピエールさんが絶賛独裁中ですよね。
恐怖政治も良いけれど(笑)こういうジャパニーズミュージカル、もっとやって欲しいしもっと盛り上がって欲しいものです。


2017年12月18日 (月)

志の輔落語

チケットが取れないとの噂の高い「志の輔落語」、ご縁あって聴かせていただくことができました。
聞きしに勝る面白さ! そして感動!!

「ディアファミリー」「歓喜の歌」
どちらも志の輔さんご本人が気に入っておられるという新作落語だそうです。

大笑いしながら、どうしてこんなに面白いんだろ〜と考えてみたのですが、理由のひとつはその精緻なシナリオ構築力にあるのではないかという気がしました。
それはマクラからしてそうで、「歓喜の歌」に至っては完璧な一人芝居。
そういえば以前パルコ劇場で、志の輔さんの落語を舞台化した「メルシーおもてなし」という作品を観ましたが、ああいった試みが成り立つのも納得です。

そしてもう一つは、今の世の中で毎日頑張ったり頑張らなかったりしながら生きている普通の人たち……たとえば公民館でヤル気なく働いている主任のおじさんだったり、ママさんコーラスに熱中している奥さんだったり(どちらも「歓喜の歌」の登場人物です)……に対する温かな目線なのではないかと思います。
もしかすると江戸時代の落語を江戸時代の人が聴いていたときは、こういう感覚だったのではないかと、ふと考えたのでした。

大げさかもしれませんが落語に対する見方が少し変わったような気がしています。


2017年12月17日 (日)

劇団チョコレートケーキ「熱狂」「あの記憶の記録」

この劇団は面白いとのウワサを聞いて観に行ってきました。
ヒトラーが権力の座にのし上がるまでを描いた「熱狂」と、アウシュビッツ収容所での大量虐殺を生き抜いたユダヤ人男性を描いた「あの記憶の記録」、対になる2作品同時上演を、「あの記憶の記録」「熱狂」の順で観ました。
以下、それぞれカンゲキの記憶の記録です。

【あの記憶の記録】
本当は「熱狂」と同日ダブル観劇のつもりだったのだけど、そうしなくてホント良かった……。
可愛い劇団名のイメージは微塵も感じられないハードビターなお芝居でダブルは気力的に無理でした。

誰もが持つ善と悪、光と闇。闇の部分が引き起こす憎しみの連鎖……それでも人はその善なる部分を信じて生きていかなくてはいけないのです。

と、コトバにすると安直ですが、私自身のどストライクゾーンに来る作品で、生涯のテーマを呼び起こされた気分でした。

いやでも、ここまでヘビーな題材を扱っているわりには不思議と後味が悪くない。それは悪い意味での社会派っぽさがあまり感じられず、もっと人間の普遍的なところに肉薄しようとしているからなのかもしれません。実は「プクル」(日本青年館)とダブルしたのだけど、プクルの夢々しい舞台見ながらもあれこれ思い出して「人間ってなあ」と反芻し続けたのでした。

【熱狂】
こちらはヒトラーの側、だが、じつはあまりよく知らなかった「ヒトラーが政権を取り権力を掌握するまでの話」です。

それは意外にも山あり谷ありで、思わず「ガンバレ!」と手に汗握って応援してしまいそうにさえなる自分にびっくり。はからずも「いやぁ〜ヒトラーも大変だったのねえ」などとも思ってしまう。権力者の周辺にはやはり様々な思惑を持った人がうごめき、彼らを服従させていく手綱さばきは天才的なのだけど、時おりちらりと見せる弱さや疲れた表情が人間ヒトラーを感じさせます。

先の「あの記憶の記録」もそうだったけれど、ものごとを決して一面的に見ようとしないフェアな姿勢がこの劇団の気持ち良さに繋がっている気がします。あくまでエンタメを目指すというのがこの劇団の方針らしいけれど、たしかにイデオロギーを超えたところで、エンターテイメントとしての普遍的な人間ドラマが成立しているということでしょうか。

もっとも、私自身が常日頃から何事も多面的にフェアに捉えていきたいという志向がとても強い人間だから、そんな私の好みにピッタリはまっているというのもあるかもしれないのですが…。

順番としては「熱狂」→「あの記憶の記録」の順に観るのが正解だったかな。この順なら同日ダブルもいけるかも。

2017年の締めくくりに相応しい見応えある作品でした。いやホント、劇団名詐欺だと思うわ〜(笑)

★その後
「熱狂」を観て帰宅した後になって、両作品に共通して登場する人物がひとりだけいることに気付き、彼の辿った人生に愕然としたのでした。田舎育ちの純朴な青年がヒトラーに心酔し、親衛隊に入り、そして……ふ、深い!!!
これは逆の順に観たからこその衝撃かもしれません。


2017年12月 3日 (日)

夫婦漫才

NHK文化センター青山教室……からの北千住。
大地真央さん、中村梅雀さんの「夫婦漫才」で、元気をもらってきました〜〜‼️

真央さん演じるのは、いつも明るく前向きで、健気でしっかり者で締まり屋の伸子さん。
下町の長屋育ちで夫を支え、子どもを育て、漫才師としても活躍するというお役なのに、やっぱり「下町の長屋に咲く一輪の白薔薇」みたいだなぁ〜と。
庶民的な役なのに、強烈にキラキラしてる。

並行して描かれる戦後の風俗史とともに、少しずつ変わり洗練されていく伸子さんのファッションからも目が離せず、あのプリンセスパワーはちっとも変わってない気がしたのでした。


2017年11月26日 (日)

グランパと赤い塔

「青☆組」吉田小夏さんの素敵な舞台「グランパと赤い塔」を観せていただきました。
「グランパ」はおじいちゃん、「赤い塔」は東京タワーのこと。高度成長期の日本の古き良き時代、でも、戦争の傷あともまだまだ残る時代の、とある家族の物語。

ああ、家族って何て面倒くさくて、そして温かいものなんでしょうね。
そしてそこには、ヘタなお芝居なんかより余程面白いドラマが必ずある。

きっとどんな人もそんなドラマの中で生きてるんです。だから共演者たちと共にしっかり自分の役を生きなきゃね。
…と書くといかにも陳腐だけど、改めてそんなことも考えさせられたな〜。

ちなみに私、祖父母がみんな早く亡くなったので、おじいちゃん、おばあちゃんという存在を知りません。
もしいたら、どんな感じだったのかなぁということを突然思って、なんだか泣けてきちゃいました。




2017年11月16日 (木)

「ちょっと、まってください〜〜〜!!」事件

自慢じゃないけど(いや、自慢だけど)、こと観劇に関しては異常なまでにパンクチュアルな女Sである。
今まで遅刻したことが3回ぐらいしかないし、その3回とも、どの作品で何故遅刻してしまったのかを詳しく覚えてる。
もちろん、ドタキャンなんてもってのほか、なのだ。

それが・・・・・今日はやらかしてしまった〜〜〜〜〜
今晩19時からの観劇の予定を、すっかり忘れてしまっていたのである。

気がついたのが、19時10分。
うわああああああ〜〜〜〜、さすがに心折れそうになった。

でも、ドタキャンは私の矜持が許さない。
たとえ遅れても劇場には駆けつけるべきだわ。
そう心が決まってからの私はすごかった。20分後の19時半には劇場にいたのだ。
(まぁ、近かったのもあるが、それにしても普段の私からは信じられない迅速さだった)

「ちょっと、まってくださ〜〜〜〜い!!!」
てな感じで駆け込んだその作品のタイトルは、まさに「ちょっと、まってください」
ケラリーノ・サンドロヴィッチ率いるナイロン100℃の久々の新作公演だった。

結論から言うと、観られて本当に良かった!
ケラさんの作品はこれまで何本か観たけれどナイロン100℃は初めて。
ケラさんワールドの原点を見た気がする。
これほど意味不明なのに意味深な世界を生み出せるとは!
ナンセンスなセリフの応酬がしつこいぐらいに続くのだけど、それをちゃんと成立させて客席を笑いの渦に巻き込む役者さんたちもすごい。

3時間10分(休憩たったの15分)の長丁場だったので30分遅れも誤差の範囲ということで。
いやそれにしても、やっぱりエンゲキのためなら頑張れるんだな、私。
どうでもいい事件かもしれないけど、今日の決断が今後の人生を決したような気がしないでもない。


2017年11月10日 (金)

アダムス・ファミリー

とーっても楽しかった〜〜!
このところちと低テンションだったけど、そしてKAAT遠かったけど元気出ました。

キャストの皆さんそれぞれ魅力いっぱいだったけと特に印象に残ったことなど。
昆夏美さんがバットばつ丸的に可愛くて、今までの昆さんの中で一番好きかも。ちなみにばつ丸はサンリオのキャラクターの中で私が一番好きなキャラなので、これは最高の褒め言葉のつもりです。
久しぶりに爆発する樹里さん見られたのも嬉しかった。一幕ラストサイコーでした。橋本さとしさんの父親っぷりにもじーんと来たなぁ。

壮一帆さんがそれはそれは美しくて終始目が釘付けでした。そして群舞の中心になる場面ては思わず漏れ出てしまう圧倒的トップスターオーラ! こんなことなら宝塚在団中にもっと女装して欲しかったとわけのわからないことを考えてしまうくらいでした(笑)

「フツウ」って何だろ?って、ふと考えさせられてしまう、そして、もっとクレイジーになっちゃえ〜と殻を破る勇気を貰えちゃう素敵ミュージカルです。


2017年11月 7日 (火)

こまつ座「きらめく星座」

こまつ座「きらめく星座」観てきました。舞台は浅草のオデオン堂という小さなレコード店。歌を愛する一家が戦時中という暗いご時世を明るく生き抜くほのぼの物語・・・かと思いきや、実際は「ほのぼの」の向こうには重い台詞の応酬。いつもながらの見応えたっぷり、密度濃い井上ひさしワールド3時間でありました。


スターファイルでもインタビューさせてもらった田代万里生さん。耳が良すぎる脱走兵・正一役はハマり役といって良いのでは? こういう役に出会えるのは役者としての最高の幸せのひとつではないかと思います。初演時には開幕直後に怪我で降板されたそうですが、リベンジの機会に恵まれて、本当に良かった。とくに「電蓄になれ!」のシーンは笑えます。あれほど上手く電蓄になれる人もなかなかいないのでは? いっぽう2幕でのベテラン役者さんとのお芝居でのぶつかり合いは一つの壁でもあるのでしょうけど、一山乗り越えた時がまた楽しみでもあります(まだ初日近いのでこれから変わる気が)。角刈りな万里生くんは新鮮! ファンの方は必見です。


飄々として温かい父・久保酎吉さん、明るいムードメーカーな母・秋山菜津子さん、寡黙ながら芯が強くて心優しい妹・深谷美歩さん、憲兵なのに人情味あふれる権藤・木村靖司さん、そしてこの芝居の中でもっとも大きく変わっていく傷痍軍人の源次郎・山西惇さん。贅沢な布陣の役者たちによって描き出される登場人物の一人ひとりが愛おしい。


中でも広告文案家・竹田を演じた木場勝己さんの、ここぞという時にピリッと効かせる一言の力が強烈です。広告文案家を敢えて登場させた意味も納得。マイナスとプラス、言葉というものへの両方向への力を感じさせてくれる存在です。

なぜこの作品が「きらめく星座」と名付けられたのか?
その意味がふっとわかった瞬間が、1幕と2幕のクライマックスと言える瞬間にそれぞれありました。深い意味を持つ、美しいタイトルだなぁと思います。


いつ、どんな時代も天空を正確に回り続ける星たちの煌めきは絶対的に尊いけれど、時代に翻弄されながらも必死で生き続ける人のいのちの小さな煌めきも、ひとしく尊い。そんなことを考えさせられました。


Kirameku2_2


Kirameku3_2


Kirameku4


Kirameku5

(c)こまつ座

2017年10月14日 (土)

わたしが悲しくないのはあなたが遠いから

日経MJコラム執筆がご縁で知った「ままごと」柴幸男さんの脚本。フェスティバルトーキョーの目玉作品のひとつでもあります。

東京芸術劇場のシアターイーストとウエスト。隣り合ったふたつの劇場を使って同時進行で物語が進むという斬新な趣向。いわば隣の劇場は「あっちの世界」。時折、あっちとこっちのやり取りがあったり、あっちの世界の人が飛び込んできたり、こっちにいた人があったの世界に行っちゃったり、それも不思議な感覚。そしてずっと拭いきれなかった「しょせんひとごと」感を見事にぶち壊される衝撃のラスト。

どんな自然災害で大惨事になっても、どんなに怖いテロ事件が起こっても、当事者でない限り「しょせんひとごと」感は拭えない。その感覚自体に罪悪感を覚えつつ、必死で共感してみようとしたり、でも心のどこかでホッとしてみたりする。
そんな感覚が見事に舞台化されていました…。

(以下は今日思ったことのメモ)
このところ小さな劇場の演劇も観るようにしていますが、大劇場での商業演劇とは観客が求めるものが違うし、したがって当然伝え方の手法も違うんですね。より多くの観客に普遍的でわかりやすい感動をお届けするのが大劇場、もっと尖った個性的な表現の場が小劇場、受け止める観客側にも能動的な姿勢が求められるといいますか。

両者の間に横たわる断絶がずっと気になっていました。でも、どちらも演じる側と観る側に新たな関係を生み出す「演劇」であることに変わらないはず。だとしたらどちらの楽しみも味わえる方がより豊かなのでは、というのが現時点での想いです。そして、大劇場演劇は観客に媚びすぎるべきではないし、小劇場演劇は自己満足に陥ってはいけないのでしょう。




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