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2018年11月の記事

2018年11月23日 (金)

光より前に ~夜明けの走者たち~

久々に文句なしの大ヒット!
たった5人のキャストに簡素な舞台セットて進むのに、休憩なし2時間引き込まれっぱなし。とにかく無駄な台詞が全くなく、一言一句を聞き漏らすまじと集中力を研ぎ澄ませたくなる。ビジュアルだの知名度だのスペクタクルだの様々な要素で売る舞台が多い今の時代に、やはり舞台は脚本ありきという基本に引き戻されるような作品でした。

組織のため国のために走る円谷幸吉(宮崎秋人)と、自分のために走る君原健二(木村了)。対照的な二人のランナーの明暗と二人の絆の物語。東京五輪で思いがけず銅メダルを取ってしまった円谷はその後プレッシャーの中で走れなくなり、ついには自殺。いっぽう期待されながらも8位に終わった君原は一時はマラソンの道を断念しながらも次のメキシコ五輪で銀メダルを取ります。

どこまでも純朴で素直な円谷と、一見曲者っぽいけれどじつはとても不器用で真面目な君原。円谷と常に一心同体の畠野コーチ(和田正人)と、君原を自由に泳がせていざという時締める高橋コーチ(高橋光臣)、それぞれのコーチとの関係もまた対照的で、マネジメントの面でも考えさせられます。

キャストの皆さんもそれぞれ魅力的。狂言回し的な役割を務める陸上雑誌記者の宝田(中村まこと)が、これまたいい味。若手キャストの中でいぶし銀のような存在感です。

常に周囲の人を慮り続けた円谷ではなく、ワガママ自分勝手に見えた君原が結果として周囲の人に支えられて、まるで「ウサギとカメ」のカメのように最後に勝つというのも深い。でも、それでも満足しないのもまた深い。もはや性というか業というか。

結局、自分を知り大事にした人が、そんな自分を正しく理解してくれる良き支援者に恵まれる、私にとってはそんな教訓も与えてくれた作品でした。

いい脚本を役者が誠実に演じれば必ず面白くなるという、お芝居の原点に立ち還らせてくれるような作品。そして、マラソンに限らず何でも、何かを極めようとしている人には必ず感じるところがある作品だと思います。
オススメです!!


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