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2018年5月の記事

2018年5月30日 (水)

「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」

ナショナルシアターライブで見てきました。
トム・ストッパードの「「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」
演出がデヴィッド・ルヴォー。

「ハムレット」の中で「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」の一言で片付けられてしまっている2人を主人公にしたお話。
だいたい、どっちがローゼンクランツでどっちがギルデンスターンかさえもよく区別がつかない、そのくらいどうでもいい存在感な2人(2人のうちツッコミ役的な方がローゼンクランツで、この役がハリーポッターのダニエル・ラドクリフでした)。
戯曲的には確実に死が待っている、そのことに二人も薄々気づいている・・果たして二人の運命やいかに!?

とはいえ、1幕の途中までは延々と言葉遊びのような会話劇が続き、笑いのツボも7割は理解できず、ワタシ史上最高にわけわかんない作品かもと思いながら「忍」の一文字で観てたのですが、1幕ラストから俄然面白くなった!

劇中にイカサマな旅芸人一座が出てきて、彼らがハムレットのパクリの芝居を見せます。
この効果で、途中から何が現実で何が虚構かがわからなくなってしまう…まさに虚実皮膜とはこのことか!?

本筋と劇中劇、二重の構造があるのですが、途中、外側の舞台がまるで現実世界のように感じられた瞬間があったかと思えば、内側の舞台が現実に感じられた瞬間もあり、揺さぶられまくり。でも結末は現実世界をも救う演劇の力を感じさせるもののように私には感じられました(畳み掛けるような終わり方だったので、見誤りだったらゴメンなさいなのですが・・・)。

それともう一つ思ったこと。
戯曲上は死に向かっていく2人の運命は、物語の中の特別なことではない。よく考えたらこれ、すごく普遍的なことじゃないかと。死に向かって一直線に向かっているのは人間誰しも同じなのだから…と、そう感じて慄然とした瞬間もありました。

でも、「良いもの見せてもらった〜」と思えた時って結局は元気になれます!
マニアックな映画だと思うんですけど、その割にはお客さんの入りも良くて、ほぼ満席になっていました。

2018年5月26日 (土)

私が一番楽しい!?「タカラヅカ流世界史」講座

今日は午前中からNHK文化センター町田教室の講座「タカラヅカ流世界史」でした。
そしてランチ懇親会を挟んでの宙組公演観劇。
長丁場にお付き合いくださった皆さまありがとうございました。

ところで今日の観劇はものすごく楽しかった!(いつも楽しいんだけど特に)
お芝居はナキアとネフェルティティの台詞には特に胸打たれましたし、ショーでは「明日へのエナジー」に賭ける宙組の皆さんの想いを改めて感じたのでした。

どうやら講義の準備のために勉強してしまうせいで色々と詳しくなり、観劇も劇的に楽しめるようになっている気がします。
なんというオレ得なお仕事なんだ!
自分が一番楽しんでいたらどうしましょ(笑)

次回は9/29に「タカラヅカ流日本史」やります。
テーマはもちろん島原の乱です!


懇親会ランチは演目にちなんでトルコ料理!
ギョズレメという、ほうれん草とチーズをクレープ生地で包んで焼いたものをチョイスしました。
ドリンクはアイランという塩味ヨーグルトドリンク。

2018年5月22日 (火)

小松台東「消す」

いつも面白い三鷹市芸術文化センターの上演作品。今回もまたまたやってくれました。

宮崎の、よくある田舎の家庭の物語。台詞も全部宮崎弁。舞台セットの小物の一つひとつに「あるある!」感。まるで帰省したような気分になれるくらい細かく作り込まれていてびっくり。
しかし、話が進むにつれ、よくある家族の闇が次々と露呈していってだんだんイヤになってきました(笑)
途中、登場人物の中で誰が一番イヤな奴が真剣に考えてしまった…で、総じて女性陣の方がイヤな奴度が高いという結論に達したのですが、それは自分自身も持ち合わせている部分を見せつけられているからそう感じるのかもしれません。

家族って、生々しくドロドロした感情と、人としてのごく素朴な愛情と、両極の根源的な感情をうまくバランス取りながら続けていく関係なのかもしれない。そんなことを改めて考えさせられる作品でした。

※週末までの上演で、まだ残席ある回もあるようです。


2018年5月20日 (日)

ハングマン@せたパブ

タイトルの通り、首を吊る人、つまり死刑執行人の物語。といっても別に死刑制度の是非を真正面から問うとかそういう話じゃなくて、かつて死刑執行を仕事にしていた田舎の名士ぶったおじさんの話といったところ。
時は1960年代、ところはイギリス北部の田舎町のお話。

マーティン・マクドナーという気鋭の作家の最新作なのだそうです。パブに集う人々が繰り広げる会話劇で物語は進んでいきます。パブ劇というんだそうな。リアルでシュール、日本文化の土壌からは決して生まれてこないであろう演劇は新鮮で面白かったけれど、どう受け止めていいのか少々戸惑っているところも(>_<)

主人公ハリー(田中晢司さん)のどこまでいっても二流な感じと、物語のキーマン、ムーニーの最低野郎な感じ(大東駿介さん)が巧かったです。こういうお芝居見ると、役者さんってすごい!!とひれ伏したくなりますね〜

それとプログラムの作品解説が良かった!
観劇前用と観劇後用、二つに分けて解説があってとてもわかりやすい。これは今後の参考にしたいです。


2018年5月 9日 (水)

こまつ座「たいこどんどん」

まずは、喬太郎師匠素晴らしかったことが言いたい!!
井上ひさし作品の振れ幅の大きさはいつもどおりですが、たいこ持ちという役どころがピッタリとはまり、軽妙なシーンは十八番な感じで楽しませてくれます。いっぽうで、芸人魂を叫ぶシーンは鬼気迫る迫力で落語家としての喬太郎師匠ご自身にかぶって見えました。

相手役ともいえる若旦那役の窪塚俊介さんが体調不良で初日直前に急遽代役となるというアクシデント…このため事実上喬太郎師匠オンステージのようになっていましたが、重責を果たし舞台を引っ張っておられたのはほんとうにすごい!
今回の経験を芸のこやしにされた後、落語家としてどうなっていくのか?こちらも興味が尽きません。

でも、若旦那・清之助役を急遽務めることになった江端英久さんにも胸打たれるものがありました。
もちろんこの役は本来、おバカでも何をやっても許されるような華と愛嬌のある役者さんの方が良いのでしょうけど、それでも江端さんらしい役創りで作品をきちんと成立させていたと思います。

代役の舞台が侮れないであろうことはタカラヅカでの経験から予想していましたが、やっぱり今回の舞台にしかない感動と元気をいただきました。
演者の皆さんが千秋楽まで元気に舞台を務められることを願っています。

喬太郎師匠のインタビュー、手前味噌ながら観劇後に読み直してみるとまた面白いです。



2018年5月 2日 (水)

温泉ドラゴン「嗚呼、萬朝報!」

いや〜〜今日もまたアツい芝居を観てしまいました。
「萬朝報」を立ち上げた黒岩涙香(周六)の生涯を描いた舞台です。作は原田ゆう、演出はシライケイタ。
(以下はちょっぴりネタバレな観劇レポートです)

常に庶民の味方であり続け、値上げをせず、圧倒的な販売部数を武器に発行停止にも大新聞の圧力にも不買運動にも屈しない姿勢は痛快そのものでした。

そんな黒岩がこだわり続けたもうひとつのモットーが、執筆者の表現の自由を守り続けること。ですが、これを売上との天秤にかけねばならぬ事態に陥ったとき、一度だけ判断を誤ってしまいます。そしてその謝りが、ある人物の命を奪ってしまう。
「危険な思想なんてものはない。本当に危険なのは自由が奪われることである」
ラストの黒岩の悲痛な叫びが重く響きました。

…そして彼のアキレス腱、それは女性問題…。
彼をめぐる女のバトルがもうひとつの物語として展開していきますが、これがまたドキドキハラハラ。
理想を追い続ける人って、案外ごく身近な人を踏み台にしてしまう罪な存在なのかもしれません。

ともあれ、とくに表現に携わる人には是非オススメしたい、スカッとして考えさせられて、ちょっぴり哀しい物語。ああ…でも明日で千秋楽なんですよね。私が観た回も急遽補助席を増やすほどの盛況ぶりでした。
役者さん一人ひとりの圧倒的な熱量に対してむしろ劇場空間が狭すぎる! もう少し大きなハコでの再演希望です。


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