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2018年1月26日 (金)

TERROR テロ

久々にシビれる演劇体験!!
164人の乗客を乗せたハイジャック機が、7万人が集まるスタジアムに突っ込もうとしている。これを自身の判断で撃墜した空軍少佐は有罪か無罪か?
観客全員が参審員となって投票し、その結果次第で下される判決が違うという、これぞまさにガチ参加型演劇。
カーテンコールで舞台上の出演者からの拍手を嬉しく感じたのは初めての体験です。

そこで問われるのは164人の命と7万人の命を天秤にかけて良いのか?という問題。さらには「命の尊厳」を定めた憲法に対し、有事の際の超法規的措置が認められるべきなのか、という問題です。

立ち上がっただけで劇場中の人の心をわしづかみにしてしまう老獪な弁護士(橋爪功さん)、単に被告の罪を問うだけでない、もっと多様な視点から事件を俯瞰し、ことの本質的な問題を探究する検察官(神野三鈴さん)、時に優しく時に憎まれ役も買いながら冷静沈着に公判を進めていく裁判官(今井朋彦さん)、三人とも法曹としてそれぞれとても優秀な方々だと思われます。食わせ者の証人(堀部圭亮さん)の芝居もお見事。

そして、同情を誘う言動を一切せず、連邦裁判所の判断をも間違っていると言い切った被告人・ラース・コッホ空軍少佐(松下洸平さん)の潔さには、正直なところ胸打たれてしまいました。

丁々発止の議論を聞きながら、いろいろ考えさせられました。
真に罪に問われるべきは、国家の危機管理体制だったのではないかということ、そしてもう一つは、もし仮にコッホが何もせず七万人の命が犠牲になった場合「何もしなかった罪」は問われないのか、ということ、などなど。

本日の判決は有罪。
しかし、有罪229人に対して無罪191人と、私が思ったより僅差でした。

過去の上演記録をみると、欧米諸国での上演では何とほとんどの回で無罪判決です。それだけテロの脅威に晒されているということでしょう。いっぽう日本では憲法の尊厳を問いかける言葉の方が今は心に響くのかもしれません。

…と思いきや、日本でも無罪判決となった日がかなりあるのですね!
過去の上演記録はこちらで見られます

私も「有罪」に投票しましたので(刑の重さや執行猶予などで調整すべきだと考えました)、今日の判決文は私にはしっくり来るものでした。しかし、無罪となった場合の判決も聞いてみたかった。そして、それを聞いた自分がどう感じたかも知りたかったです。
(しかしこの演劇の場合、それがなかなか難しい……)

法の裁きもまた時代の気分によって変わるものなのだということも肌で感じさせられました。だから恐怖政治みたいなこともあり得ちゃうんだろうな…。
「テロへの脅威」より「憲法遵守」がしっくり来る人が多数派になれる時代であることを願います。


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コメント

劇評楽しみにしてました。『何もしなかった責任』ですか。私はそれが言語化できなかったのですが、ほぼ、その考えで『無罪』に投票しました。ちなみに私の観劇日は3,4人の僅差で有罪でした。
別の判決文聞いてみたいですよね。ところで今井さんは真田丸から好きになりました。渋く他の人に代え難い存在感ですね。

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