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2016年6月30日 (木)

轟ルキーニと成河ルキーニ

東宝「エリザベート」本日ソワレ観てきました。
今日はあえてこんなお題で書くことをお許しください。
以下は、20年前(1996年)に宝塚雪組エリザ初演を観て、轟ルキーニと出会って人生変わり、そして20年後の今年、成河さんのこれまでの幾つかの舞台を観て、今日のルキーニにものすごーーーく期待をしていた、要するに「ルキーニ」という役に思い入れありすぎな一観客の、「極私的な戯言」ということでお読みいただければ幸いです。

正直、幕開き数分間は面食らったんですよね。
このルキーニをどう受け止めたらいいのか、わからなかった。
だって声高いし、衣装や役作りのせいもあって何だかずんぐりむっくりして可愛いし(笑)
(写真の方が絶対かっこいい)

でも、すぐに気が付いた。
轟さんのルキーニは「見て愛でるもの」だったのに対し、成河さんのルキーニは「自分の魂を乗り移らせて(?)一緒に楽しむもの」だということに。
ルキーニに乗り移ったつもりで一緒になって見回すと、ハプスブルクの黄昏がすごく面白く見えてくる。
ルキーニに大注目なはずなのに、なぜかオペラは使いたくない。ルキーニの一挙一動は必ず視界に入れつつ、ルキーニと一緒になって舞台全体をくまなく見渡していたい気分になるから不思議。

さらに、この調子で他のキャストの組み合わせだとどう見えるのかにも興味が湧いてきちゃう。
こんなチケット難なのに・・・罪なルキーニちゃんですこと(笑)

さらにさらに、「宙組エリザもがんばれっ!」って、突然思ってしまった。
なんだかんだいって、私にとってのエリザは過去20年間ずっと「雪組初演版」が神で基準で、結局そこから比べてあーだーこーだーっていう見方しかできてこなかった気がする。
だけど、そうやってうかうかしているうちに東宝エリザだって格段に進化していて、男女いるから表現できる魅力もどんどん増していて、今、タカラヅカのエリザはタカラヅカなりの存在価値が問われていると思う。
今年の宙組は正念場だな!

成河さんルキーニは、ハプスブルク帝国の黄昏と帝劇1800人の観客を手のひらで転がしまくっていて、とても楽しそうに見えた。常に周囲とは違う空気感を醸し出す傍観者であり続けたけれど、その距離感も場面場面で違っていて、ミルクの場面なんかでは完全に民衆に溶け込んでいた。たぶんこのルキーニはどちらかというと民衆の味方なんだと思った。それから、子どもルドルフに向ける目線だけは優しい。場面ごと、相手ごとでの自由自在感がすごかった。

…でも、最後は「この人も元は普通の幸せを望む小市民だったのかも」って思わせる哀れなテロリストだった。彼もまた、混迷の時代の中でトート閣下に踊らされた一人の人間だったのだ。ルキーニという人物が初めて血の通った男に見えた。

なんというか、20年の時を経てようやく雪組初演版エリザ&轟ルキーニの呪縛から解き放たれた気がしている。
でも、今日の「Kitsch!」や「ミルク」が私にとって特別に感慨深いものだったのもまた事実。
こんな出会いがあるから舞台は面白い、ですね。

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