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2012年9月30日 (日)

花組「サン=テグジュペリ」が不覚にも面白かった件

遅ればせながら、ようやく花組公演を観て参りました。
お芝居「サン=テグジュペリ」、正直、あまり良い評価を聞いてなかったんだけど…いざ観たら…これが意外にも面白かったという…((( ;゚Д゚)))…

「仮面の男」のときもそうだったけど、どうやら時折私の好みはヅカファンの中ではマイノリティに属してしまうらしい。

初め、「なぜに谷先生が星の王子様?」と不思議に思ったのだけど、観てわかりました。昔、轟さんのバウ主演作で「アナジ」っていう海の男の物語があったけど、まさにこれの空バージョン(笑)
実際、飛行機乗りたちが銀橋で歌う歌がことごとくアナジっぽかったのが、個人的にすごいツボでしたwww(昔すぎる話ですみません)
ただ、チームワークが大切な海の男たちと違って、空の男たちは個人プレイ(歌詞でも「俺たちはライバル」っていってたし)なので、ちと盛り上がりに欠けるのが、空バージョンの不利なところなわけですが…。

「空に夢を賭ける男たち」の物語。これがこの作品のひとつのテーマ。
で、飛行機乗り同士が芝居する場面が随所にあるんだけど、これが、「野郎」って言葉が相応しいような、男臭くて芸達者な花組男役たちの面々にぴったり合ってたのがまず良かった〜。
この手の場面は、見てくれだけのキャリアの浅い男役がやると非常につまんないものになってしまうからね。
(実際、今回も一部ちょっと引き出しが足りないんじゃないかなーという場面はあった)

そして、サンテックスと妻コンスエロの一筋縄じゃいかない愛の軌跡。これがテーマのその2。
一目惚れで結婚はしたものの、「子どもの心を持ったままの似た者どうし」でちっともうまくいかない2人が、「星の王子様」に含まれるエッセンスでもって次第に心を通わせていくという趣向。たとえば、サンテックスの親友ギヨメ(壮)が、「星の王子様」に登場するキツネに成り代わって、迷えるコンスエロに「心の目でみつめること」を教えるとか。これがなかなか面白い。まぁ2人が心を通わせるというか、大人になったのはコンスエロのだけで、サンテックスのほうは最期まで子どものまま天国に行っちゃった感じだったけど。

出演者座談会などでもサンテックスは「変な人」だったと言われているけど、事実最後までほんとワガママに生き抜いた人だ。冒頭で「サンテックスのことは理解できない」っていうセリフもあるとおり、訳分かんない人でもある。それがこの人の魅力でもあり、出版業界的にいうと「ベストセラー作家になる人ってそーいうもんよね」とも思う。

でも、少なくとも妻や恋人を幸せにするタイプじゃーないよね。そして、妻のみならず、ネリーという女性も必要としてしまうところが、女の目から見ると我慢ならないところでもあるけれど、やっぱり彼はそういう人だったんだと思う。私自身はこういうタイプの男性は好きだからいいんだけど(だからリア充になれないんだけど)、ヅカファン一般にはウケが悪いタイプかもしれない。それが、この作品の評判がいまひとつな理由でもあるのだろう(加えて、真面目さと健全さが持ち味の蘭寿さんには、この役がしっくり来ない感じもちょっとした)。

まあ、そもそも谷先生の作品って「私」を捨ててもっと大きなミッションに走ってしまうタイプの主人公(=女心を踏みにじって平気な男)が多い。それが作風なんだから仕方ない。でも私はそういう生き様が案外好きだったりする。

話それるけど、桜一花ちゃん演じるネリーってほんとカッコいいよね。彼の物語には登場できないけど、そんな彼の創作に必要不可欠な人。ああいう粋で懐の深い女性になってみたいものだ。おそらく、コンスエロは男としてのサンテックスを求め、ネリーは作家としてのサンテックスの理解者だったのでしょう。

そして、テーマその3のキーマン、それは、だいもん(望海)演じるドイツ人ホルスト! 最初に出て来たっきり全然出て来ないから「どうしたんだー」と思ってたところにいきなり蛇で登場し、そして最後の種明かしがなされたときは痺れましたねー。今日は初見だったし。

勝手な想像ですが、谷先生がこの作品のプロットを考え始めたときに、このホルストの役は、ごく初期の段階からあったんじゃーないでしょうかね。世界中が暗闇と混乱に向かっていったこの時代に、「目には見えない大切なもの」を追い求め続けた男がいた。そしてその心が結晶化した作品が、敵国の人をも動かした。でも、戦争という残酷な現実のもとでは、そんな彼がサンテックスを死に追いやってしまう。それもまた人間…。これが、この作品のテーマその3だろう。

てなわけで、これは極めて硬派な作品だと思うわけですよ。ゆえに、プロローグの「星の王子様」ははっきりいっていらなかったんじゃーないかなーと、個人的には思う^^;どうせなら、男の中の男、死をも恐れぬ飛行機乗りたちの愛と友情の物語に、徹底的にしてしまえばよかったのに。

ショー「コンガ」に関しては文句なし! こっちはタカラヅカ史に残る名作ショーになる可能性もあるんじゃないだろうか。
再演もありだと思ういっぽうで、今のメンツ以外での上演は想像できないくらい。
蘭寿さん、さっき芝居のほうの役が「しっくりこない」とか書いちゃったけど、その分ショーのほうが200%しっくり来てるから、まあいいんじゃないかってことで〜

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