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2011年3月19日 (土)

雪組ロミジュリ、震災を超えて

19日16時の部を観劇。
この1週間の間に、雪組メンバーのなかでも本当に「色んなこと」があったのだろう…そう感じさせる舞台だった。

とりわけ第2部。両家の憎み合いが最高潮に達し、早霧マーキューシオと緒月ティボルトが睨み合う場面の緊迫感、リアリティがタダモノではない。かの地震が起こる前にみたものとは、まったく違っていた。
そして、憎み合うことの無意味さに気付いてしまった、未涼ベンヴォーリオのとまどい。

ここ1週間で東京を襲ったのは余震や停電の恐怖だけではない。それ以上に私が怖ろしかったのは、異常時のなかで露呈されていく人の心の醜さだった。平然と他人を傷つける人、人の自由を奪う人、感情のままに罵詈雑言を浴びせる人、自分さえ良ければいいという身勝手な人。と、エラそうに書く私にだって、同様の醜い心は絶対に潜んでいる。

そう。この1週間の東京の街は、殺伐としたヴェローナの街そのものだった。

「不謹慎」という名の魔物が暴れまくる今、歌劇団は逆風に晒されている。雪組メンバーの間でも、ほんとうに「色んなこと」があったと思われる。哀しいかな、おかげで役者としての引き出しは増えてしまったのだろう。どんなにか辛かったことだろうと思うけれど、決して無駄にはなっていないはずだ。

最後、天国のロミオとジュリエットが、白い霞のなかで踊る。いつもは「お約束」と思って観ていたデュエットに、これほど胸打たれたことも、かつてなかった。「憎しみ」が一切ない真っ白な世界、そんな世界に私だって逃げ込みたいよ。

だけど、現実はお芝居のように簡単にはいかない。私たちは生き続けなければいけないし、世間はヴェローナの街の人たちのようにすぐには変わらないだろう。

だからこそ、ロレンス神父と乳母がロミオを諭す歌、「神はまだ、お見捨てにならない」が心に響く。ここで私の涙腺は完全に決壊泣き顔 周囲でもこの場面以降でやけに鼻をすする音が増えた。あれは絶対花粉症のせいだけじゃないはずだ。


そして、最大のドラマは最後に起こった。
コマせしるが麗しの女役で踊る例の場面が大詰めを迎え、フィナーレからパレードに移ろうかというときのこと。

ついに・・・来ちゃったのだ。余震げっそり

「揺れてる!」にわかに客席はざわめいた。
だが、舞台上の雪組生たちは踊り続ける。
そして、銀橋のセンターに走り出てきた桂ちゃん、満面でキラキラ笑顔光線を発射☆☆☆

「大丈夫、絶対負けないから安心して!」
そんなメッセージが伝わってくるよう。
それに応えるかのように、客席からも大拍手が送られる。

揺れは次第におさまった。
「勝った!」なんだか、そんな気がした。
「もう何も起きませんように」客席の祈りのなかでパレードは続行、無事に終了。

そして、飛鳥組長から「私たちにできることをして、皆さんを勇気付けていきたいと思う。どうか上演にご理解をいただきたい」旨の挨拶。

その後の桂ちゃんの挨拶は、地震に打ち勝って立派に舞台をやり遂げた達成感と安堵感で、思った以上に晴れやかだった。
深々と勢い良く礼をしたせいで、後ろに垂れ下がってるはずのナイアガラの羽根の1本が、雉羽根に引っかかったままになっていた。

「タカラジェンヌは、強い。そして、タカラヅカって、ほんとに素晴らしい!」
私の頭には、ただただ、そんな言葉しか浮かんでこなかった。


確か3月の初めには、ロミジュリ新人公演、そして「記者と皇帝」を観たんだっけ。
それらがはるか昔のことのような、まるで、別の時代のことのように感じる。

「舞台を楽しめるって、文字通り『有り難い』こと」
愚かな私は、時間が経つときっとまた忘れてしまうに違いない。
せめて、今日そんなことを思ったことだけは、書き留めておこう。


さあ、希望を持とうよ。
神はまだ我々をお見捨てにはならない。

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