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2011年1月29日 (土)

ミュージカル「アンナ・カレーニナ」

ふと思い立って見て来ましたです。シアタークリエで上演中の「アンナ・カレーニナ」。
アンナ瀬奈じゅんさんバージョン。

終わった後の印象を、ひとことで表現するなら「どよよ~~んげっそりて感じですか(笑)

いやーアンナってほんと身勝手で愚か過ぎるよ。いやだから「不倫はいけません、喝!」じゃないのです。むしろ、自分自身のなかにも潜んでいるであろうドロドロな部分を見事に抉り取られ、鏡に映し出されてるみたいで…切なかった。

瀬奈さんのアンナ、前半はちょっと健全過ぎるんじゃないかと思ったんだけど、ラストは壮絶で見事な女優っぷり。ああ人が破滅していくってこういうことなんだなと。歌も、とくに高音部がきれいだった。歌って持って生まれた声に左右される部分も大きいし、瀬奈さんご本人もかつて「決して得意じゃない」とおっしゃってたから、ものすごく努力されたんじゃなかと思う。この姿勢はプロとして見習わなくてはと僭越ながら思ったな。

ヴロンスキー伯爵の伊礼彼方くん、最初に登場した瞬間からおおおーっ!と目を見張るカッコ良さ目がハート このヴロンスキーという役、共感が得にくい役どころだけに、「有無をいわさぬカッコ良さ揺れるハート」こそが勝負のポイント。しかも私、世間でも最も「軍服姿」に対して評価の厳しいクラスタに属する人間でありますが、文句なし。あーいう人が満員電車に乗ってたら、アンナじゃなくてもときめいてしまうに決まってると納得。

かつてタカラヅカ版でも大人気だったカレーニン氏が、今回もまたまた大人気みたい。世の多数派の倫理観にも合う人だしね。だいたいカレーニンのように真面目一徹でシャイなタイプのほうが、ヴロンスキイのような情熱全開タイプより、日本人ウケはいいのかもしれません。演じた山路和弘さんは、頑固さ、貴族のプライドといった外側の堅い殻と、その内側にある孤独、弱さ、優しさのバランス具合が絶妙ですごく巧かった。

ただ、敢えてアンナの側に味方していうならば、もう少しだけ嫌な男のほうが芝居全体のバランスとしてはよかったんじゃないかなーとも思ったり。あれではカレーニン氏が素晴らしすぎて、アンナがほんとにただの自分勝手なバカ女にしかみえなくなってしまう。世間の「夫」という人種は、家では「メシ・風呂・寝る」しか言わなかったり、脱ぎっぱなしにされた靴下が臭かったり、マジで妻をうんざりさせる部分もたくさんあるのではないかと思うので(笑)

キティー役は遠野あすかさん。タカラヅカでトップ娘役になってからはシリアスな役どころが続いていたから、久々にコミカルな彼女が観られてうれしかった。レイヴィン役の人がこれまた小説から抜け出てきたみたいにぴったりなイメージで、誰かと思ったら「宝塚BOYS」の葛山信吾さんだったのですね。

このほかアンナの兄で最も現実的な結婚観を持つスティーバ役に山西惇さん、貴族社会代表みたいなベッツぃーに春風ひとみさん。最近のミュージカルって、脇役陣に至るまで実力派が揃ってて、ミスキャストがほとんどない。昔に比べたら層が厚くなったんだなとしみじみ。

各キャストのナンバーもそれぞれに意味深で聴き応え十分。回り舞台をうまく使ったセットも面白かった。全体として密度の濃い舞台だったけど、そこから何を受け取るかは、おそらく観る人の人生経験や価値観によってすごく違ってくるだろうな。

ある人(たぶん若い女性)は「結婚するのが怖くなった」ってつぶやいてたけど、確かにそうかも…いや、逆に後学のために是非観ておくべきかもしれない。それに、キティーとレイヴィンのような「当たりクジ」を引けるかもしれないんだしねウインク

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