発売中!

  • 歌舞伎・歌劇・レビュー・バレエ・日本舞踊・ミュージカル・2.5次元……が「タカラヅカ」になるまで
  • 「タカラヅカ流・愛の方程式」を読み解きます
  • 「日本物」への偉大なる愛!
  • 100周年を祝してこの1冊!
  • 割とマジで勉強になります!
  • 清く正しく美しいヅカファンライフのすすめ
  • タカラヅカ100年の伝統と変化をたどる!

中本千晶の本(遊系)

  • 待望の文庫化!
  • 不景気も吹き飛ばすタカラヅカの魅力
  • 人形が泣く、人が泣く

中本千晶の本(働系)

  • 東大卒って本当にスゴイの?
  • 著者デビューマニュアルの決定版!
  • 独立した人、したい人のバイブル
無料ブログはココログ

« 情報力 | トップページ | 料理本なんていらない »

2009年6月16日 (火)

桜姫(現代版)

※ネタばれ注意


鶴屋南北の名作「桜姫東文章」を、舞台を南米に置き換えて現代風にしたもの、ということで、興味をそそられて観に行った。

しかもキャストが、大竹しのぶ、笹野高史、白井晃、中村勘三郎、古田新太・・・という超豪華版ぴかぴか(新しい)ぴかぴか(新しい)
よくこれだけ揃えられたものだと、まずプロデューサーの手腕に脱帽する。

歌舞伎版との比較でいうと、

・桜姫→マリア(大竹しのぶ)
・清玄→セルゲイ(白井晃)
・権助→ゴンザレス(中村勘三郎)

歌舞伎版では、知的エロ坊主の清玄と色悪の権助の対照的な2役を、同じ役者が演じ分けるのが見どころだが、今回その趣向は適用されず。
また、歌舞伎版には残月&長浦というアヤしげなカップルが出てくるが、これがココ(古田新太)&イヴァ(秋山菜津子)に置き換わっていると思われた。

このほか、墓守やら旅芸人の団長やらいろんな役どころで要所要所に登場するのが笹野高史だ。


全体の印象の違いをひとことでいうならば、歌舞伎版は「明るいわーい(嬉しい顔)」、だけど、この現代劇は「暗い・・・げっそり」。

歌舞伎版の一番の面白さは何といっても桜姫の魅力的なキャラ揺れるハートだ。
深窓のお嬢のくせして操を奪った悪党に一目惚れしちゃったり、結果、遊女にまで身を落としてもなお、おっとりとした姫様コトバが抜けなかったり、で、最後は父の仇を立派に討ってミッションを果たす。

無茶苦茶といえば無茶苦茶だし、残酷な場面も多々あるにも関わらず、最後は「桜姫よくがんばりました、アッパレ!」と拍手を送りたくなってしまう。
品よく健気で、でも自分に正直で情熱的なお姫様である。


いっぽう、このたびの現代劇では、物語の主軸はむしろセルゲイ、そして、セルゲイにとっての「もうひとりの自分」の象徴であるゴンザレスの側に置かれている。
そして、彼らが生きる踏み台となるのがマリアだ。父を殺され、強姦され、挙句の果てに、マリアの死と引き換えに、彼らは「生」に執着し続ける。

言い換えれば、男たちふたりはマリアによって「生かされている」、男たちを救済する存在ともいえる。だから、マリアなんていう役名を与えたのかしら?

度肝を抜くラストシーンである。
「人間って、そうだよね」と、納得もする。
だけど、だけど・・・・・なんとも、やりきれない気分にさせられる。


ちなみに、この後7月に、同じシアターコクーンで歌舞伎版の「桜姫」が上演されるようだが、チケットの売れ行きはこちらのほうがはるかにいいようだ。
「おけぴ」をみても、今月の現代劇は値下げチケットがゾロゾロ出てくるにに対し、7月の歌舞伎版は一枚も出てこない。

ひとりでも十分に看板になりうるクラスの役者を、これだけ揃えているのにね。

結局、観客は何を求めて劇場に足を運ぶのか?
考えさせられる現象である。

« 情報力 | トップページ | 料理本なんていらない »

カンゲキの記録」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1113285/30149176

この記事へのトラックバック一覧です: 桜姫(現代版):

« 情報力 | トップページ | 料理本なんていらない »