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2008年9月23日 (火)

女の幸せはどっち?(奥州安達原)

なんだか急に、文楽関連のことも真面目に書いておこう、という気分になっている。
文楽とは長い付き合いをするんだから、「熱烈文楽」がゴールじゃないからね。

というわけで、9月東京公演の二部は「奥州安達原」。
襲名披露でひたすら華やかな一部と対照的な、地味~で暗~い演目。
だけどこれが意外にハマってしまった。

時は平安時代、源義家に滅ぼされゆく奥州安倍氏の物語。
八幡太郎義家は勇猛さと賢さを兼ね備えた完璧な武将として描かれ、その知略に安倍一族は基本的には翻弄されっぱなしの展開だ。

にも関わらず、義家はあんまり魅力的に思えない。少なくとも友だちにはなりたくないタイプ。
源氏への復讐のためなら何でもやっちゃう、でも悉く裏目に出てしまう安倍貞任や、その母岩手なんかのほうがよっぽど好きだな。

こうした、歴史上の「負け組」に対する温かい視線が文楽の時代物の魅力だと思う。明智光秀が主人公の「絵本太功記」なんかも同じだ。

さて、「奥州安達原」では前半に平直方という老将の二人の対照的な娘が出てくる。
妹の敷妙は、今をときめく八幡太郎義家殿の正妻におさまり、両親にとっても自慢の孝行娘ってことになっている。

対して姉の袖萩のほうは、どうしようもない放蕩娘。
ゆきずりの侍と恋に落ち、デキちゃった結婚で親からは勘当。
しかもその相手というのが、父親にとっては敵方にあたる安倍貞任ときた。安倍氏再興のミッションに燃える貞任とはほどなく別れ別れになりシングルマザーに、やがて乞食にまで落ちぶれ、最期は父と夫との板ばさみになり自害してしまう。

この姉妹、女性として果たして、どっちが幸せだったんだろう?と、ふと考えた。

普通に考えたら、妹の敷妙のほうが勝ち組だ。
それに比べて踏んだり蹴ったりの袖萩。
にも関わらず、袖萩の人生も案外捨てたもんじゃないかも、と思うのだ。

だって、安倍貞任のような男性と両親も捨てるほどの大恋愛ができたわけだし、その男性との子ども(これがまた素晴らしく出来の良い娘)にも恵まれたわけだし。

女性として、これ以上の幸せがありましょうか??

対する敷妙と源義家夫婦はどうなんだ?
子どもはいないようだけど、たぶんセックスレスなんじゃない、とか意地悪なこと考えたり。

私だったら・・・やっぱり姉の袖萩の人生を選びたいなあ。
寒空に着るものがないのはツライけどね。

・・・と、そんなこと言ってるから、いつまでたっても負け犬人生から脱し切れないんでしょうか(≧∇≦)

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