発売中!

  • 100年の伝統と挑戦!
  • 歌舞伎・歌劇・レビュー・バレエ・日本舞踊・ミュージカル・2.5次元……が「タカラヅカ」になるまで
  • 「タカラヅカ流・愛の方程式」を読み解きます
  • 「日本物」への偉大なる愛!
  • 100周年を祝してこの1冊!
  • 割とマジで勉強になります!
  • 清く正しく美しいヅカファンライフのすすめ
  • タカラヅカ100年の伝統と変化をたどる!

中本千晶の本(遊系)

  • 待望の文庫化!
  • 不景気も吹き飛ばすタカラヅカの魅力
  • 人形が泣く、人が泣く

中本千晶の本(働系)

  • 東大卒って本当にスゴイの?
  • 著者デビューマニュアルの決定版!
  • 独立した人、したい人のバイブル
無料ブログはココログ

2018年6月19日 (火)

「THE LAST PARTY」

月組『THE LAST PARTY ~S.Fitzgerald's last day~』があまりに良かったので、ちょっと熱く語らせてください(笑)

幕が上がって舞台上に座っている月城かなとくんを見た瞬間に「おおおっ!フィッツジェラルドがいるっ」と思えた、これ久しぶりの感覚。そしてすぐに世界に入り込めた、まさにハマり役!こういうのってほんと気持ち良くて観客冥利につきます。

ゼルダの海乃美月さん。この役はワガママで理解不能な女と紙一重のところにある難しい役だと思うのですが、ちゃんと共感できるゼルダでした。とりわけ、壊れていく過程で刻一刻と変わっていく表情が哀しすぎて必見。

※このゼルダに関して「女性も好きに生きられるという価値観を知った南部のお嬢様。だから自由に生きたいと願うけれど本質的にはお嬢様だから自立できない、自己矛盾を抱えた女性」と、植田景子先生が『歌劇』に書かれていて、なるほどと納得したのでした。

踊るヘミングウェイ暁千星さん、初演のときってこんな踊ってましたっけ? 情熱的で野生的、スコットと好対照でした。

今日は出版業界の友人と観たのですが、「新人作家で初版5万部とかありえない!」とか「短編小説一本でサラリーマンの給料1年分稼げるとか羨ましすぎ」とか、終演後は突っ込みまくりでした(笑)。にしても、フィッツジェラルド、そしてヘミングウェイを世に送り出したマックスウェル・パーキンズ(悠真倫さん)って偉大なる編集者ですよね。

ローラ役の夏月都さんが久々に夏月さんらしい役で嬉しい。癒されました〜。憧花ゆりのさん演じるシーラもオトナの女性。こうした「いい女」を演じられる上級生娘役が豊富なのは今の月組さんの強みだなぁと改めて思ったのでした。
(…にしても、ロングのタイトスカートをはかせたら憧花組長の右に出る者はいませんね)

2004年の初演時にたいへん話題になった作品ですが(残念ながら私は生で観ていない)、演じ手が時おり本人に戻って役を客観視するという趣向も斬新。観客の側もふと我に帰って冷静に作品世界を眺め渡せるのが新鮮な感覚です。

もちろん作者である植田景子先生の思い入れもたっぷり。「ホンモノの作品を後世に残したい」「有名になりたい」二つの願望の狭間で揺れ続けるスコット・フィッツジェラルドという人物には同じ表現者であるご自身の様々な想いも込められているように感じられました。

ともあれ、月城さんにとってはさらなるステップアップにも繋がりそうな作品で本当に良かった。次のルキーニも俄然楽しみになりました!


2018年6月 8日 (金)

こまつ座「父と暮らせば」

やっぱりボロ泣き……。

2015年に一度観てますから、今回はそうでもないかなと思いきや、3年前と同じでした。
こまつ座さんの数ある作品の中でもとくに好き、というか自分にとって大事な作品なのだと再確認した気がします。

※3年前の感想はこちら

私、反戦メッセージをどストレートに投げかける作品は舞台としてはあまり好みではないのですが、この作品は別。おそらくそれ以上に、娘を想う気持ち、父を想う気持ち…人としての愛情がリアルに伝わってくるからじゃないかと思います。前回も書いたけど広島弁なだけに、私にとっては余計に。

そして、その隙に井上ひさしさんが本当に伝えたかったであろうメッセージもいつの間にかしっかり受け止めてしまっている。原爆投下直後の広島の街の様子を、回想の台詞を通じて事細かに伝えているという点も特筆すべき作品です。

今回、新キャストでの上演でしたが、山﨑一さんの父親が、生前のちょっとダメな部分が垣間見えるのも可愛らしく、素敵な親父さまでした。伊勢佳世さんは知的で気丈、「学生時代から成績優秀」というのも納得です。

17日まで。ぜひぜひ多くの方に観て欲しいです。


2018年6月 2日 (土)

唐組「吸血姫」

ぎゅうぎゅう詰めの密集空間、ゴザが敷かれた地面の上で体育座りでの観劇。
お尻の痛さと戦う2時間半でした(>_<)。
唐組「吸血姫」、1971年の初演以来47年ぶりの再演だそうです。

1967年8月、花園神社に唐十郎の紅テントが忽然と現れたときの衝撃については、扇田昭彦さんの『日本の現代演劇』の冒頭で語られています。
そんな伝説の紅テントを一度体験したいものだと思っていました。その願いが叶ったわけですが、終演時にはこの修行のような2時間半を耐え抜いたぞ!という満足感が先に来てしまった気もします(汗)。テント内も苦痛の共有体験による一体感で包まれていたように思われました。

そんなわけで以下は取り急ぎのメモ。
整理券番号順に誘導されて順にテント内に入っていくのがまず一大イベントです。
呼ばれていた整理券番号から推測するに、あの狭い空間内に300人ぐらいは入っていたのでは? そりゃ狭いはずだ。

観客層は、かつてアングラ演劇全盛期にリアルで観ていたであろう世代と、「紅テントとはいかになるもの?」と珍しげに観に来た人(含私)か入り混じってる感じ。大学生ぐらいの若い世代もけっこういました。そして男性が多かったです。

ストーリーは支離滅裂、でも台詞の一言一言が深くてガンガン伝わってくるものはあります。
上手く言語化できないのですが、よく「肉体の演劇」などと説明される感覚がやっと肌で理解できたような。まさに百聞は一見にしかず。
それと、要所要所で歌がかなり使われていて、ちょっとミュージカルっぽいと思ってしまいました。1971年といえば日本でもブロードウェイミュージカルがぼちぼち上演され始めた頃。そんな影響もあったりするのかな(まったくの仮説です)。

この作品「愛がお世話か」っていうのがキーワードなんだけど、たしかに「お世話する」ってなかなか便利な言葉ですよねー。「あかねさす紫の花」で鎌足さんが言ってるのを聞いたときから何となく思ってましたけど(笑)

それにしてもお尻が痛かったよう〜:(;゙゚'ω゚'):
昔アングラにハマってた人たちはもっと忍耐強かったということなのでしょうか??
これからご覧になる方には、ゆったりとした服装と身軽な荷物で行かれることをお勧めします。


2018年5月30日 (水)

「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」

ナショナルシアターライブで見てきました。
トム・ストッパードの「「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」
演出がデヴィッド・ルヴォー。

「ハムレット」の中で「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」の一言で片付けられてしまっている2人を主人公にしたお話。
だいたい、どっちがローゼンクランツでどっちがギルデンスターンかさえもよく区別がつかない、そのくらいどうでもいい存在感な2人(2人のうちツッコミ役的な方がローゼンクランツで、この役がハリーポッターのダニエル・ラドクリフでした)。
戯曲的には確実に死が待っている、そのことに二人も薄々気づいている・・果たして二人の運命やいかに!?

とはいえ、1幕の途中までは延々と言葉遊びのような会話劇が続き、笑いのツボも7割は理解できず、ワタシ史上最高にわけわかんない作品かもと思いながら「忍」の一文字で観てたのですが、1幕ラストから俄然面白くなった!

劇中にイカサマな旅芸人一座が出てきて、彼らがハムレットのパクリの芝居を見せます。
この効果で、途中から何が現実で何が虚構かがわからなくなってしまう…まさに虚実皮膜とはこのことか!?

本筋と劇中劇、二重の構造があるのですが、途中、外側の舞台がまるで現実世界のように感じられた瞬間があったかと思えば、内側の舞台が現実に感じられた瞬間もあり、揺さぶられまくり。でも結末は現実世界をも救う演劇の力を感じさせるもののように私には感じられました(畳み掛けるような終わり方だったので、見誤りだったらゴメンなさいなのですが・・・)。

それともう一つ思ったこと。
戯曲上は死に向かっていく2人の運命は、物語の中の特別なことではない。よく考えたらこれ、すごく普遍的なことじゃないかと。死に向かって一直線に向かっているのは人間誰しも同じなのだから…と、そう感じて慄然とした瞬間もありました。

でも、「良いもの見せてもらった〜」と思えた時って結局は元気になれます!
マニアックな映画だと思うんですけど、その割にはお客さんの入りも良くて、ほぼ満席になっていました。

2018年5月26日 (土)

私が一番楽しい!?「タカラヅカ流世界史」講座

今日は午前中からNHK文化センター町田教室の講座「タカラヅカ流世界史」でした。
そしてランチ懇親会を挟んでの宙組公演観劇。
長丁場にお付き合いくださった皆さまありがとうございました。

ところで今日の観劇はものすごく楽しかった!(いつも楽しいんだけど特に)
お芝居はナキアとネフェルティティの台詞には特に胸打たれましたし、ショーでは「明日へのエナジー」に賭ける宙組の皆さんの想いを改めて感じたのでした。

どうやら講義の準備のために勉強してしまうせいで色々と詳しくなり、観劇も劇的に楽しめるようになっている気がします。
なんというオレ得なお仕事なんだ!
自分が一番楽しんでいたらどうしましょ(笑)

次回は9/29に「タカラヅカ流日本史」やります。
テーマはもちろん島原の乱です!


懇親会ランチは演目にちなんでトルコ料理!
ギョズレメという、ほうれん草とチーズをクレープ生地で包んで焼いたものをチョイスしました。
ドリンクはアイランという塩味ヨーグルトドリンク。

2018年5月22日 (火)

小松台東「消す」

いつも面白い三鷹市芸術文化センターの上演作品。今回もまたまたやってくれました。

宮崎の、よくある田舎の家庭の物語。台詞も全部宮崎弁。舞台セットの小物の一つひとつに「あるある!」感。まるで帰省したような気分になれるくらい細かく作り込まれていてびっくり。
しかし、話が進むにつれ、よくある家族の闇が次々と露呈していってだんだんイヤになってきました(笑)
途中、登場人物の中で誰が一番イヤな奴が真剣に考えてしまった…で、総じて女性陣の方がイヤな奴度が高いという結論に達したのですが、それは自分自身も持ち合わせている部分を見せつけられているからそう感じるのかもしれません。

家族って、生々しくドロドロした感情と、人としてのごく素朴な愛情と、両極の根源的な感情をうまくバランス取りながら続けていく関係なのかもしれない。そんなことを改めて考えさせられる作品でした。

※週末までの上演で、まだ残席ある回もあるようです。


2018年5月20日 (日)

ハングマン@せたパブ

タイトルの通り、首を吊る人、つまり死刑執行人の物語。といっても別に死刑制度の是非を真正面から問うとかそういう話じゃなくて、かつて死刑執行を仕事にしていた田舎の名士ぶったおじさんの話といったところ。
時は1960年代、ところはイギリス北部の田舎町のお話。

マーティン・マクドナーという気鋭の作家の最新作なのだそうです。パブに集う人々が繰り広げる会話劇で物語は進んでいきます。パブ劇というんだそうな。リアルでシュール、日本文化の土壌からは決して生まれてこないであろう演劇は新鮮で面白かったけれど、どう受け止めていいのか少々戸惑っているところも(>_<)

主人公ハリー(田中晢司さん)のどこまでいっても二流な感じと、物語のキーマン、ムーニーの最低野郎な感じ(大東駿介さん)が巧かったです。こういうお芝居見ると、役者さんってすごい!!とひれ伏したくなりますね〜

それとプログラムの作品解説が良かった!
観劇前用と観劇後用、二つに分けて解説があってとてもわかりやすい。これは今後の参考にしたいです。


«こまつ座「たいこどんどん」